宇宙怪獣のひとりごと

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愛のかたちについて 〜劇場版セーラームーン2作品感想

こんにちは。火星にかわって折檻されたい、べむたんです。

 

2020/4/24~7/23の期間、セーラームーン初期3作品がYouTubeセーラームーン公式から無料配信されていました。

私はこの緊急事態宣言におけるStay Home期間+αを利用して視聴しました。

 

セーラームーンは世代直撃ではありませんが、青春を謳歌しながら運命に翻弄されて闘う女の子たちの尊さ、儚さに惹き付けられました。

 

そしてAmazon Prime Videoに劇場版セーラームーンR、劇場版セーラームーンSがあることを知り、視聴しました。

 

そのふたつが大変にハラショーだったので、大雑把にネタバレを回避しつつ感想を述べたいと思います。

 

 

劇場版セーラームーンR

1993年公開

監督 幾原邦彦
脚本 富田祐弘

 

ハラショーです。

TV版美少女戦士セーラームーン(以下「無印」)とTV版美少女戦士セーラームーンR(以下「R」)のエッセンスを60分に詰め込んでいる。

ジェットコースターに乗ってるような気分になる映画です。

 

主人公月野うさぎの恋人、地場衛と「約束がある」と言って現れた謎の青年。

それから少し経ち現れた人を操る植物の出現。

そこから宇宙規模の戦いに

―――というプロット。

 

大まかなストーリーの流れは無印終盤の踏襲、「孤独と共生」というテーマはR序盤(魔界樹編*1 )の踏襲だと思われます。

 

しかし、今回その2つと決定的に違うのは「ちびうさ」の存在。

未来からやってきた少女です。

そしてその中の人は、先述の無印終盤でセーラームーン役の代役をしていた方なんです。

その声に励まされてうさぎは戦いに向かっていくのです。

 

メタ的視点にはなりますが、その声があったことで無印終盤のような悲劇的展開にはならないで済んだような気がしています。

(というか無印終盤がトラウマ展開過ぎるんじゃあ)

 

そして、本作の最終版の展開は涙不可避です。

月野うさぎが主人公たる理由ここにあり、という感じ。

R以降で強調されたうさぎの母性を感じつつ、無印終盤の展開を絡めていて、本編視聴済なら感情が大きくなること間違いなしです。

 

ただ、キャラ紹介もきちんとあるし、終盤の演出が秀逸なため、初心者でも楽しめると思います。

布教にもピッタリです。

劇場版アイカツ!アイカツ!布教用に使うのと同じ理屈です

 

欠点は60分で盛りだくさんだから一部展開が早いくらい?

傑作です。

 

 

 

劇場版セーラームーンS

1994年公開

監督 芝田浩樹
脚本 富田祐弘

 

戦いの規模が地球規模なのは先程の劇場版Rと同様だけど、前作は地球規模の愛・孤独に寄り添うことがメインだったのに対し、本作は1人を愛することがテーマ。

ラブストーリーとして傑作になってます。

 

今回メインに据えられたのはうさぎのナビゲーター猫、ルナ。

ルナの淡い初恋(相手は人間)と、その初恋相手を利用する巨悪との戦いが描かれています。

 

ルナは人語を理解し、話すことができます。

だけど恋い慕う相手の前ではただの猫。

人語を話すわけにはいきません。

 

そしてその彼にはやや拗れた関係のガールフレンドが。

思いを打ち明けて砕けるわけにもいかない。

 

そのジレンマをうさぎに伝えて涙するシーンは、こちらも涙なしでは見られません。

 

そしてその戦いの中でセーラームーンが聖杯により起こす奇跡は、あまりにも淡く、切なく、儚いです。

(端的に言うと、「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」の"例のシーン"に似た雰囲気があるかも)

 

このシーンは、ルナが「自分が彼と結ばれること」よりも「彼が幸せで健やかになること」を心から願ったために生まれたシーンです。

真の恋慕ですね。切ない。

 

そしてもう1匹のナビゲーター猫、アルテミス(♂)が本当にいい味出してる。

R以降のアルテミスは主役回での女社会で頑張ってる感が本当に愛おしい。報われてほしい。

 

TV版Sの頃になると、うさぎも主人公として成長を遂げており、ナビゲーター猫であったルナの影は薄くなってた感が否めません*2

その中でルナにスポットライトを当ててくれたことが嬉しいし、ずっと「仕事人間(猫?)」だったルナの、彼女らしい恋愛観が本当に良いです。

傑作です。

 

 

 

まとめ

うさぎの母性としての愛を描いた劇場版Rと、ルナの1人を想い慕う愛を描いた劇場版S。

かたちは違えど、相手を想い、相手の利益のために行動する姿は共通しているのかもしれません。

 

以上、こんな世の中だからこそ見て欲しい2作品でした。

*1:アニメオリジナル

*2:地場衛も新キャラの煽りで影が薄くなり続けてるけど、最近Twitterで登場シーン(サンタさんの中から登場)がバズってました